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菊地 賢司; 加治 芳行
材料, 44(505), p.1244 - 1248, 1995/10
ニッケル基耐熱構造材料ハステロイXRの高温クリープ変形を、その場観察して得た粒界ボイドの成長特性より、材料の破壊は微小な粒界クリープボイドの成長、合体により生じることを明らかにした。そこで、このクリープボイドの発展特性に基づいて、クリープ損傷量を粒界損傷率(Dパラメータと命名)により定義し、余寿命を推定する方法を新たに提案した。すなわち、ある許容損傷率Dcを限度として、実験的に得られる粒界損傷率曲線を参照して、測定されたDパラメータに対する余寿命を推定するものである。この方法は、レプリカによる構造材料表面の損傷を評価するので、Dパラメータの測定が非破壊的に可能であり、稼動中のプラントの余寿命評価に適用可能と考えられる。
春山 保幸; 橘 宏行; 小嶋 拓治; 岡本 次郎*; 柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 柳生 秀樹*
Radioisotopes, 44(8), p.507 - 513, 1995/08
原子力施設等の放射線場で用いられている機器部品や電線被覆材等の耐放射線性の評価および余寿命の予測に必要な線量測定のため、アラニン/ESR線量計の低線量率、長時間照射下の特性を明らかにした。線量率0.45Gy/h、1.97Gy/hで総線量a/kGy、1kGyを25Cから80Cの異なる温度で照射した模擬環境下で、アラニン線量計の有効性を調べた。また、照射中及び照射後の温度を変えて線量応答の安定性も明らかにした。アラニン線量計の線量応答は、0.45Gy/h、2000hの低線量率・長時間照射下においても、60C程度までであればその線量応答値は1kGyまで線量に直線的に比例し増加した。この線量率及び照射温度範囲では、補正なしで積算線量測定が可能であることが明らかとなった。線量応答値は照射中の温度に依存し、線量率の0.45及び1.97Gy/hで総線量0.1kGy及び1kGyでは、温度係数0.1%/Cの直線関係を示した。
二村 嘉明; 大岡 紀一; 鎌田 裕
原子力工業, 38(9), p.40 - 45, 1992/00
JMTRにおいて現在までに実施した非破壊検査としては、原子炉施設及び照射設備(照射キャプセル等を含む)に関する使用前検査・供用期間中検査、並びに原子炉燃料の低濃縮化に際して、一次冷却系の配管について特別に行った検査がある。これらの主たる目的は欠陥を見出し、トラブル等の発生を未然に防止することであり、予防保全として実施している。ここではこれらの概略を紹介するとともに、その実施における対応策を述べる。また、JMTRは初臨界から約25年を経過しており、経年劣化の現状を正確に把握することが必要であり、JMTRの長期計画策定のために余寿命評価が必要となる。そのための非破壊検査のあり方についても言及する。
涌井 隆; 斎藤 滋; 若井 栄一; 酒井 知紀*; 森 孝太郎*; 二川 正敏
no journal, ,
J-PARCにおける核破砕水銀標的の寿命を決定する支配因子の1つは、陽子及び中性子による照射損傷である。われわれは、これまで、非照射材に対して、微小押込み試験から引張特性を評価する逆解析手法を提案してきた。本研究では、核破砕条件による照射損傷を模擬したイオン照射材に本評価手法を適用し、その評価結果と米国SNSの水銀標的の照射後試験結果の比較により、本手法の妥当性について検討する。この検討結果を踏まえ、使用済み容器から採取した試料に対して押込み試験を行うことにより、硬度や本評価手法から得られる引張特性から、照射損傷に重畳する様々な影響(繰返し応力による疲労温度及び水銀による変質など)も考慮した余寿命評価が行えることが期待される。本報では、評価手法やその妥当性について議論する。